丸善丸の内本店で開催された、絵本『あまがえるのかくれんぼ』の出版記念原画展&トークイベントを見に行きました。

見る人の想像力にゆだねる

その前に立ち寄ったのは東京ステーションギャラリーで開催中の「ルート•ブリュック展」。

名窯アラビアの美術部門専属アーティストとして、またテーブルウェアやテキスタイルのデザイナーとして活躍したフィンランドを代表するアーティストです(ウェブサイトより)。

色や柄が美しくかわいい陶板や、モザイクのセラミックやテキスタイルの作品は、時を経るごとに、追求していくものが変わっていき、どんどん、削ぎ落とされて、シンプルに。

無限の組み合わせから成り立つ色と色の組み合わせやアースカラー、金、黒を経て最後は白で光を表していました。

それは、アーティストが見たもののイメージを抽象的に捉えた表現。作品を見る人によってきっと見えるもの、想像する景色、思い出す風景が違ってくることでしょう。

最初の方の展示作品だけ写真が撮れました。私のi-colorであるターコイズ色があちこちで効果的に使われていたのが印象的でした。

絵本も同じ

見る人によって見えるもの、思い出すものが違うのは絵本も同じだなと思いました。

生物画家である舘野鴻さんとかわしまはるこさんは、自然を緻密に観察した上で、キャラクター化せずに生物を描かれます。

写真では見えない、本物の色、裏側の形、質感、重さ、湿り気ぐあいまで、実際に見て触れた上で描かれるそうです。

自然のありのままの姿が描かれているからこそ、見る人は描かれた場面の季節や空気、草地の匂いまで、自然にイメージすることができます。でも、それはそれぞれの心の原風景が元になっているはずです。

キャラクター化されていなくてもなぜかかわいらしく、笑えるカエルたちのストーリーに引き込まれながら、この愛しい光景がずっと残されたらいいなと願います。

絵本を読んでもらう時、子どもは物語を体験し、大人は物語に心や経験を投影しています。大人と子どもでは、絵本との関係が違うのです。でもどちらも、見る者の想像力をかき立て、それぞれの情緒や感性に訴えかける点で、やっぱり絵本はアートだなと思います。

『あまがえるのかくれんぼ』世界文化社 たてのひろし作 かわしまはるこ絵

6月にはブックハウスカフェさんでも、この絵本のトークイベントやワークショップが開催されるようですので気になる方はチェックしてみてください。