開催レポート:人とのつながりと、程よい距離感と。

絵本セラピー開催レポート

〜10月の絵本セラピー(@オキナショクドウ、彩の葉)より〜

久しぶりの開催となった絵本セラピーは、絵本の詩にとって新しいチャレンジでした。野菜たっぷりの美味しいご飯が食べられる藤沢・辻堂東海岸のオキナショクドウさんではいろいろなワークショップが行われており、今回ご縁をいただき、そちらで2回も開催させていただきました。併せて、自宅(絵本室)での彩の葉絵本セラピーも、絵本を増やして同じプログラムで実施することができました。

初めて会う方、お子様連れでご参加の方、母より年上の方、とお会いする方々の幅も広がり、緊張しながらの開催でしたが、皆さま素敵な方々ばかりで、一目みて好きになりました(笑)。

テーマに込めた思い

テーマは「どこにいても」。8月からやりたかったプログラムだったのですが、季節の絵本を変更して、希望どおりやり遂げることができ、これも何かの縁だったのかなと思います。

コロナ禍で仕事が変わったり、変えたり。思い切って移住したり。逆に行きたいところに行けないことも。でも、どこにいても私は私。自分を理解し、本質的なところを大切にしていれば、何も変わらない。どこにいても楽しめる、どこにいても人と出会える、どこにいても必要なこと、大切なこととつながっていられる。込めたのはそんな思いでした。

幸い、緊急事態宣言は明けましたが、もう生活は前みたいには戻らないと私は考えています。よかったのは、コロナ禍の経験を生かして、一人で物事を楽しむ、他人と同じでなくていい、自分の希望どおりにすればいい、接したくない情報やグループからは距離を置いていい。そんな世の中に少し近づいたというか、みんながそんな強さを身につけてきたのかもしれません。

人とのつながり

今回のメインの絵本は『わたしの糸』。「糸」はよく、人とのご縁やつながりを意味する時に使われる言葉でありモチーフで、この絵本も一見、母と子のつながりの話ようで、でも糸って他の物事とつながっていても全然いいんじゃないかなと思わせてくれる広い解釈ができる絵本なのです。

『わたしの糸』トーリル・コーヴェ作 青木順子訳 西村書店

ご参加の皆さまにも糸でつながっているものを聞いてみましたが、母や祖母、家族という声が多い一方で、ある風景をおっしゃる方もいて、それぞれだなと思いました。

人とのつながり、といえばオキナショクドウさんも人と人をつなげるパワースポットのような場所。今回のお話もオーナーのかよさんが「やりましょう。いつにします?」とすぐに日程を調整してくださったおかげで実現しました。オキナさんで参加してくださった方は口を揃えて、ここで出会った人や物事との出会いを挙げておられました。

オキナショクドウのランチ。スープにも野菜たっぷりで、お腹も心も満たされます。

周囲の人との程よい距離感のとり方

前述の絵本には、成長した子どもが離れていくシーンがあります。つながりの糸を切って胸にしまう、そんな時が人と人との間には確かに必ず訪れるかもしれないと思いました。

親子でさえいつか離れるのだとしたら、周囲の人との関係はどうでしょうか?

参加者のお一人が、「周囲の人との程よい距離感のとり方についても考えさせられた気がする」とつぶやいておられました。プログラムや絵本からそう感じたのか、知らない人同士、肩書きなど関係なく参加し、心を開きあう絵本セラピーという場についてそう感じたのかはわかりませんが、今回の運営に関しては実は特にそのあたりを気をつけていたのでそう感じていただけたのは嬉しかったです。なぜ気をつけていたのかについては、また別の機会にお話できればと思います。

私は以前はすぐに距離をつめたがるタイプでした。でも、最近はあまり人に対してガツガツしなくて済むようになりました。それでも寂しく思わなくなり、よりよい関係が築ける気がします。いろいろな考え方がある中で、同意できないこともあるでしょう。そんな時も程よい距離感を意識していれば自分を保ち、振り回されずに済みそうです。皆さまはどう考えますか?

大切なものを知るワーク

糸が何につながっているか、イメージしにくい方がいた場合に備えて、ある本で知ったワークのやり方もお伝えしました。今、大切にしていたり、自分の周りにある人や物事、夢や価値観を、段階を経て減らしていくというワークです。

最後に残ったものは何でしたか?

これも人それぞれで、年を取ってからやってみるとまた結果も変わってくるんだろうなと思います。

いただいた感想のご紹介

  • 最初はとても緊張しましたが、絵本というツールと和やかな雰囲気を作ってくださったので、自分に素直になれてとても楽しく過ごせました。
  • あたたかい気持ちと笑顔、大切にしたいと思います。
  • 本当に色々な世代が集まって話せて貴重な機会でした。心が軽くなりました。
  • 楽しい、楽しい一時でした。久しぶりに本音で会話できて嬉しかったです。
  • 自分のために絵本を読んでもらう、というのが新鮮でした。
  • (話せるかなと心配していましたが)自分の気持ちがすっと出て、シェアができてよかったです。
  • 日々に翻弄されて自分が自分を忘れてしまうことがあるので、絵本を通して自分を知れるのはとてもステキですね。
  • 人が選んだ本を読んでいただくことで新しい本に出会えて楽しかった。
  • また別の絵本から、自分を知ってみたいなとも思いました。
  • 大切にしている想いや過去に想ってきたことを再認識しました。
  • 吐き出せてよかったです。絵本って素晴らしいですね。参加して良かったです。

初めての方が多かったのですが、絵本セラピーやその場が提供するものを好意的に受け止めてくださって嬉しかったです。またぜひご参加ください!