父が亡くなった頃から感じ始めていたことがあります。それは「変わりたい」という気持ち。人生を変えたい、でもどうしたらいいのかわからない…。
今思うと、あの時から人生のステージが変わる流れが始まっていました。どうしたらいいかわからないなりにも、「変わりたい」「このままじゃ嫌だ」と強く思ってしまった時点で、何かが動き出すという感覚です。
その時の「変わりたい」は、魂からの叫びみたいなものでした。突然降りてきた声のようでしたが、本当はそうではなく、それまでの「積み重ね」がいっぱいになって溢れるという方が正しいように思います。
自分の中に強い、魂からの溢れる思いが芽生えたのを感じたら、それが次のステージに向け人生が変わる合図です。
もっと人に寄り添えることを
当時、製薬会社で疾患啓発広報をしていました。患者さんのお話をお聴きして、その体験から病気について広く知ってもらい、予防や早期発見に役立ててもらおうとするものです。
ある日、患者さんから体験談をお聴きしていた際、辛い気持ちをお話されているのに、医師でも看護師でも臨床心理士でもない私は何もできず、助けになることを何も言ってあげられないことに、深く落ち込みました。
広報の仕事はずっととても楽しく、アイデアがどんどん湧いてきて、月曜に会社に行くのが楽しみで仕方がない時期もあったくらいなのですが、この頃から、もっと直接誰かを支えられる方法はないのかな?私はこのままでいいのかな?と思うようになっていたのです。
絵本セラピーなら、誰かにそっと寄り添える
私がその魂の叫びに気づいたのは、父が亡くなった年の11月頃。そして、絵本セラピーを知り、初めて受けたのが12月でした。その後の流れはこちらの記事にも書いたとおりです。
何のスペシャリストでもない私が、あの時覚えた無力感。でも、絵本セラピーなら、絵本の力だけで、さりげなく、そっと、誰かに寄り添えるなぁと思いました。国家資格を持ったスペシャリストではないけれど、広報で培った、テーマを設定したり、ストーリーに落とし込んだりする経験が、プログラム作りに活かせる。むしろ、自分でもプログラムを作ってみたい!と思ったのです。
これが、絵本に縁のなかった普通のOLが絵本セラピストになった理由です。